美しい瀬戸内の海水から作られた美味しい御塩
1984年、広島県安芸郡蒲刈町の県民の浜造成工事中に発見された古墳時代の製塩土器が、
藻塩(もしお)研究のきっかけになり「藻塩(もしお)の会」が発足。
製塩土器の発見者である同町の文化財保護委員長で、
住職でもある松浦宣秀さんを中心にその製法を研究してきました。
○古代製法(藻塩焼き)
藻塩(もしお)は、万葉集や平安時代の和歌に詠まれる古代の製法による塩です。
「来ぬ人を 松帆の浦の夕なぎに焼くや藻塩(もしお)の身もこがれつつ」
─藤原定家(新勅撰和歌集・小倉百人一首)
塩田による製塩が行われる以前、国内各地の沿岸で行われていたと考えられている
「藻塩(もしお)焼き」による製塩。
その製塩の詳しい方法は、わかっていませんでした。
「藻塩(もしお)の会」では、10年余りの試行錯誤を繰り返し、
この製塩法を確立したのです。
具体的には、海水にひたした海藻(ホンダワラ)を乾し、
それを焼いた灰をさらに海水でこし、
かん水(濃い塩水)をつくり土器で煮詰めて塩をとるという方法での製塩です。
○藻塩の特徴
藻塩の特徴見た目の特徴は、薄い茶色であること。
ホンダワラの成分の影響で、この色になります。
海藻を利用するため、海藻が多く持つ成分であるヨード分が豊富なのも特徴のひとつ。
海水を濃縮した塩であるため、カルシウム、カリウム、マグネシウムなど
、海水に溶け込んだミネラル分を多く含んでいます。
また、塩分(塩化ナトリウム)そのものの濃度は低いため、
塩でありながら塩分控えめであるともいえます。
味も純度の高い塩に比べ、まろやかでうまみがあるとの評価を得ています。